2013年9月23日月曜日

#33 野点

きむらとしろうじんじんさんの「野点」が多治見にやってきました。

2009年にも一度多治見に来てくれました。
(この画像は勝手に拝借。すみません)

野点(のだて)は、自分で作った焼きたてのお茶碗で、お茶を楽しめる移動式カフェー旅まわりのお茶会です。




「自分で作った焼きたてのお茶碗」というのが大変面白い体験でした。

じんじんさんがお茶碗の形を作って素焼きしたものから、参加者に好きな形を選ばせてくれます。お茶碗は一日35個限定です。


色は十種類以上ありました。オリジナルブレンドも出来ます。
筆で塗るそばから釉薬が乾くのでなかなか塗りにくいです。
器の中は薄塗り、外は厚塗りをオススメされました。

そのお茶碗に釉薬で柄を描いて焼いてもらいます。
窯の中に20分、燻して20分の合計40分ほどでお茶碗が焼き上がります。

今回は楽焼き(らくやき)という焼きもので、釉薬の中にガラスがたくさん含まれています。高温で焼くとガラスがたくさん流れてしまうため、低温で短時間が向いている方法だそうです。ちなみに今回は800℃〜くらい、高温というのは普通の焼きもので1200℃〜くらいがざっくりとした目安です。

焼成中に釉薬が溶けたところを見計らって窯から引き出し燻します。

蓋付きのバケツの中へ新聞紙と一緒に
窯から出したアツアツの器を入れて燻します。
白い達磨ストーブの様に見えるのが窯です。

20分燻した後に水の中に入れて急冷します。急冷することでさらに釉薬が変色するようです。
釉薬を薄く塗ったところはちゃんと絵柄になりますが、厚塗りのところは流れて色が混ざりあっていました。いい加減が良い感じに見えてしまうのが不思議です。

この後お茶碗にこびり付いた煤や底に流れた釉薬を、ボランティアの方に丁寧に洗って磨いて頂いて完成です。


焼く前




できあがり


きむらとしろうじんじんさんは18年このお茶会をやっているそうで、実に無駄のない動きでお茶碗の窯詰めをしたり、窯からお茶碗を引き出したり、燻したお茶碗を水に入れて急冷したり、お茶を点てたり、写真撮影に応じてくださったり。。
11時にスタートしてから日暮れまででしたが、一日35個限定の理由が分かりました。
体験する人たちが気持ち良く過ごせるように隅々まで気遣いをして下さったので、また行きたいなと自然に思えるイベントでした。

今、全国ツアー中でこの後、岩手、宮城、東京、山口、鳥取、兵庫と巡回します。
次はあなたの町に来るかもー!
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カシコセラミックワークスは 2010年より美濃焼の産地の一つである岐阜県多治見市において活動し、量産陶磁器産地にある生産技術、制作手法を用いてデザインから成型、焼成まで自ら行っています。 ”自分たちの生活の中であったらいいなと思うものをカタチにすること”をものづくりの原点とし、陶磁器特有の素材感を生かし、シンプルでありながらどこか洒落気のあるものを作るよう心がけています。

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